耳鳴り・耳のつまりと顔のむくみは同じ原因?胸鎖乳突筋ケアと肩甲骨下制セルフケアを鍼灸師が解説
【概要】
耳鳴り・耳閉感と顔のたるみに共通する原因は、胸鎖乳突筋付着部の緊張と上位頸椎の不安定性です。最新研究を踏まえ、自宅でできる肩甲骨下制セルフケアを大阪・池田市の木もれび鍼灸院が解説します。
【1】こんな症状でお悩みではありませんか?
耳鳴りや耳のつまりでお悩みの方へ。さらに「最近、鏡を見るたびに顔が大きくなっている気がする」と感じていませんか?
この2つ、実は同じ場所から起こっていることが少なくありません。鍵を握るのは、耳の下の「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」の付着部と、その奥にある上位頸椎です。鍼灸・セルフケアによる改善が期待できます。
【2】研究でわかっていること(エビデンス)
近年の神経耳科学の研究では、上位頸椎(C0〜C3)の不安定性が内耳の血流に深く関わっていることが明らかになってきました。
2015年に発表されたCaring Medical Florida のCervical Instability as a Cause of Barré-Liéou Syndrome and Definitive Treatment with Prolotherapy: A Case Series(論文リンク)では、上位頸椎の靭帯弛緩や深層筋(スタビライザー)の機能不全が、椎骨動脈周囲の交感神経叢を刺激し、耳鳴り・耳閉感・めまいを引き起こすことが報告されています。
さらに2018年のシステマティックレビュー(Association Between Subjective Tinnitus and Cervical Spine or Temporomandibular Disorders)では、耳鳴りと頸椎障害のオッズ比が2.6(95%信頼区間あり)と、明確な相関が示されています。
メカニズムとしては、頸部の交感神経の過活動 → 内耳動脈の血管収縮 → 血管条(内耳の発電所)の機能低下 → 内リンパ液の代謝異常 という流れが指摘されています。簡単に言えば、首の緊張が耳の中の血流を細らせている、ということです。
【3】ツボ塾の見解
論文の結果から示唆されるのは、耳鳴りや耳閉感を「耳だけの問題」として捉えることの限界です。耳症状の背景には、上位頸椎の不安定性と、その代償として働く胸鎖乳突筋・後頭下筋群の慢性緊張が潜んでいるケースが非常に多いと考えられます。
当院でも、薬や利尿剤で改善しなかった耳鳴り・耳閉感の患者さんに対して、第一頸椎まわりの深層筋と胸鎖乳突筋付着部に対する繊細な鍼施術を行っています。25年以上の臨床経験から見ても、内耳そのものではなく「内耳を取り巻く制御系」、つまり頸部・自律神経の状態を整えることで、耳の症状が大きく変わっていく方は少なくありません。
ここで一つ、重要な注意点があります。耳の下を自分で強く揉んだり、グリグリ押したりするのは避けてください。この部位には内頚動脈・外頚動脈・頚部リンパ節が密集しており、強い刺激はかえって筋肥大や循環悪化を招きます。
代わりに試していただきたいのが「肩甲骨下制」のセルフケアです。仰向けで膝を軽く曲げ、腰を床にしっかりつけ、肘を90度に曲げた状態から肩甲骨を下に引き下ろし、30秒キープ。これだけで耳のつまりが軽くなる方が多くいらっしゃいます。
耳のお悩みでお困りの方は、まず1週間、このセルフケアを毎日続けてみてください。
【4】LINEでご相談ください
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【5】参考文献
- Hauser RA, et al. / Cervical Instability as a Cause of Barré-Liéou Syndrome and Definitive Treatment with Prolotherapy: A Case Series / 2015 / Caring Medical Florida / https://www.researchgate.net/publication/284204309
- Bousema EJ, et al. / Association Between Subjective Tinnitus and Cervical Spine or Temporomandibular Disorders: A Systematic Review / 2018 / Trends in Hearing / https://www.researchgate.net/publication/327986383
- Ciorba A, et al. / Physiopathology of the Cochlear Microcirculation / 2013 / Hearing Research / https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3608480/
- Konyrat S. / Cervicogenic hearing loss / 1994 / PubMed / https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8002367/
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